フルタ丸講談 vol.1 『枡目街交差点』
作・演出:フルタジュン
<STORY>
小説家志望の女は面白味のない物語を二本同時執筆していた。平凡な主婦が日々の小さな幸せに気づくハートウォーミング小説『リトルハッピー』。一人娘の殺害事件を捜査する堅物な中年刑事のハードボイルド小説『足跡』。出会うはずのない二人の主人公がすれ違う。原稿用紙の片隅、枡目街の交差点で。
<作・演出 フルタジュン より>
昨年、二十周年公演が終わってから劇団のことを何も考えられない時期があった。苦しいけど誰にも相談できず悶々と。持続可能な劇団について考えれば考えるほど身動きも鈍くなっていった。演劇ってこんなに大変だったっけ?という迷いの中、どうしてもやりたかったことを思い出した。演芸の講談だ。寄席で、動画で、講談創作に携わる現場で、コロナ禍の自分はすっかりその魅力に射抜かれていた。いつか劇団で講談のような演劇、演劇のような講談を創ってみたい。これをやらぬまま終わるのは悔し過ぎると考える内に気分は上向いて行った。講談の様式美やケレン味と培ってきたフルタ丸の現代劇をミックスさせたカタチを目指したく「フルタ丸講談」と名付けた。劇団による俳優と演出と台本でどこまで迫ることができるのか。迫れずに終わるのか。迫りたかったものは何なのか。真夏の下北沢でご覧頂きたい。
Category脚本・演出Year2023Client劇団フルタ丸Linkfurutamaru.com