すべてセリフのはずだった

劇団フルタ丸 二十周年記念公演

<STORY>
下北沢に越して来た異母四姉妹。
母が異なる四人は消息が分からなくなった一人の父親を探していた。
手掛かりは父親との記憶が残る下北沢に現われるかもしれないという予感だけ。
街を徘徊する四姉妹の姿が話題になり始めた頃、映像制作会社が声を掛ける。
彼女達がテレビに出ることを了承したのは父親を探すためだったし、
制作会社が四姉妹を追いかけたのは傾いた会社を立て直すためだった。
でも、もうそんなことは誰も何も憶えていない。

<フルタ>
あの日の学芸会、あの日付いた嘘。僕はすでに演技をしていた。渡されたセリフを声に出し、急ごしらえのセリフで欺こうとした。演劇と出会う遥か前のことだ。大学で演劇を始めるとセリフを書くようになった。自分のセリフに救われた時もあったけど、セリフに引きずり込まれた世界で自分を見失う時もあった。セリフが切れると元の世界に戻って来ることができたが、戻れなくても良かったのにとも思った。セリフと麻薬は成分が近い。もう20年か。


Category脚本・演出・出演Year2022Client劇団フルタ丸Linkfurutamaru.com

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