6月でキッチン南海の神保町店が閉店すると知って落ち着かない日々を過ごしていた。
老朽化による閉店。7月には近くに暖簾分け店ができるそうだが、そういう問題ではなかった。
この本店が好きだった。
いつ行けるだろうかと思いながら今日。
たまたま昼から近くで仕事があり、そのついで行こうと決めた。
早めに家を出て開店前に着いたが、時すでに遅し。
すでに大行列。想像の5倍の長さ。
並んでいた1時間半。
その間ずっと考えていたことは、何を食べるかではなく
学生の頃に通っていた時の想い出、そのラッシュ、走馬灯だった。
ランチの時にもよく来たが、夜に店内のテレビで野球中継見ながら食ってたなとか。
僕の真後ろにサラリーマンのおじさんがいた。
同じように11時から1時間半並んでいる。
もちろん、会社には嘘をついていた。じゃなきゃ並びようがない。
何度も職場に電話しては「今、病院に来ているんだが混んでいて」と巧妙な嘘で切り抜けた。
僕の前に並んでいた女性もそんな感じに思えた。
この大行列、もしかしたらそんな人ばかりだったのかもしれない。
カツカレーを食いながら、同時にこの店で食べた思い出を食べ直しに来ていた。
閉店の最終日、どうるんだろうな。
神保町の古書街を一周する大蛇のような行列になるかもしれない。