桜と更地

事務所の近くに大きな屋敷があった。
たいそう立派で、現存している家屋としても価値がありそうに見えた。
そんな家が少し前に壊されて更地になった。
張り紙で、ここに駐車場ができるとのアナウンス。
それからしばらくの間、何も工事されない時間が流れた。
敷地内の隅に一本だけ立派な桜の木が生かされたまま。
おそらく家の歴史を見守ってきたであろう桜に思える。
開花になり、見事に咲き誇った。行きかう人は写真を撮っていた。
そして、散った。
桜の木は倒され、更地にアスファルトが流し込まれた。
僕には、桜が散るまで工事を止めて、待っていたようにしか思えなかった。
聞いたわけではないので、これは僕の想像でしかない。
しかし、そう思えた時、妙に救われた。
おいおい、人間っていいもんだなと思えた。
想像でしかないのだけど。
イマジンは際限なく自由であり、それまで失いたくない。


劇場

緊急事態宣言の裏で読んだ、
本多グループの言葉には
http://www.honda-geki.com/
胸が締め付けられた。

演劇は劇場で、そこにいる役者、スタッフ、お客さんが一つの嘘を信じる、その嘘を共有することで成り立つ。
自分もその端くれとして活動している。
魅力的な嘘は生きる活力を与える。
下北沢に、劇場に演劇を取り戻すにはどうしたらいいのか。
劇場、役者、スタッフ、お客さん。
この輪を取り戻さないといけない。どれが欠けてもいけない。考えよう。

フルタ、山田伊久磨、清水洋介による「FURUTAMARU.会議」もすでにリモート化している。
こんな感じだ。
逆に効率良いなとさえ思い始めてる。
雑談と本題のバランスが取り易い。
現在の話と未来の話を交互にしている。
何もあきらめてない。


直し

数日が経ってしまったが、2004年から始まったラジオ番組「らぶ&MUSIC」が4月から時間帯が変わった。
16年前、番組が始まった当初は金曜日21時から。それが土曜日18時からになり、一時間繰上って17時からになり、そして先週から16時からになった。3回目の引っ越しだ。こんなに時間帯がコロコロ変わる番組、レディオ湘南の中でも珍しいんじゃないか。番組の中身も時間に合わせてなのか少しずつ変えて来た。昔はもっと無軌道なことをやってた。FMなのに1時間番組で1曲しか掛からない番組として物議をかもしていた。また、僕も神田さんもそれをなんとも思っていなかった。当時はトガっていた。本当にこんなに長くやらせて頂けるとは思っていなかったので、僕らもさすがにそのありがたさに気づいてます。毎週定時の時間が変わると、身体と脳みそが認識するまでに時間がかかる。遅刻する日が来ないことを祈るのみ。

本当は来週が本番だった、ひらフル「芸人温泉」。
延期が決まり、振替公演は7月24日~26日となったのだけど、そこに向けて4月から先んじてやる稽古するプランもあったが、それも延期となった。
昨日、事務所に籠り、台本の直しを終えた。
台本は手を入れ続けようと思えば永遠にできるものだし、稽古再開までもかなり時間がある。
でも、コメディの持つ身軽さみたいなものは、書く体感のスピード感がそのまま乗ると思ってるので、じっくりどっしり時間を掛け過ぎて向き合うとどこか重くなる。カラっとさせておく部分が大事。とりわけ、ひらフルの作風はそうありたい。
そんな日に、漫才台本を担当して下さっている中村元樹さんからも台本が届いた。
出演者に送ったので、皆さんと会える日を待ちながら演出プラン考える。


スタンダップコメディーのゆくえ

去年、ニューヨークに行った時。
滞在最後の夜、スタンダップのコメディークラブに行った。

ウディ・アレンがスタンダップコメディアンとして世の中に出て来たことを知ってから、アメリカのスタンダップコメディー事情に興味を持ちなんとなく分かったつもりでいたが、ライブ会場で見たのは初めて。

本場ではこんなふうにやってんのかという発見と共に
日本のスタンダップも負けてないなと感じた。

演出で関わって来たスタンダップコメディーライブ「おはようインコさんシリーズ」。
昨年の本多劇場で「その5」を上演した後、予定していた今年の羽田空港でのライブ「その6」が延期になった。

昨今の状況に端を発し、エンタメの届け方も変わり始めていくのかもしれない。
クリエイターが何もしないという選択は苦痛。お金、収益うんぬん以上の苦痛があると思う。
何かを生み出したい、パフォーマンスをしたい、そういった表現欲をどうしていくべきか。

インコさんの配信ライブをやることにした。
チケットサービスzaikoの配信プランを利用してやってみることに。

配信ライブ「おはようインコさん その5.5」
日時は5月24日(日)16時~17時

自宅にいる方は、テレビに映して楽しめる。

予約・詳細はコチラ
https://inkosan.zaiko.io/_item/325447

※チケットの購入・閲覧にはzaikoのアカウントが必要

この機会に、新たな形の届け方に挑戦してみます。
ご自宅で気軽にお楽しみください。

それともう一つ。
日本スタンダップコメディ協会の4月1日の紀伊國屋ホール公演も中止になった。
出演予定だった協会員、清水宏さん、ぜんじろうさん、ラサール石井さん、インコさん。
4人から取れたてのメッセージ動画が公開されました。

この熱を、日本製スタンダップコメディの熱を絶やさぬように。


ルールの中に自由がある

最近の娘の一日はこうだ。

・起床
・朝飯食う
・宿題やる
・ピアノの練習やる
・昼飯食う
・ディズニーシアター見る
・スライムつくる
・テレビを見ながらフラフープやる
・夕飯食う
・就寝

時間がありまくるので親が何かしらの課題を与えないとダラけまくる。
精神衛生上よくない。
自由の価値さえ崩壊してしまう。
やはりルールがあって自由がある。
物語を作るのと同じだ。

「運動不足を解消するためにフラフープや!」

と言ったところ、なぜか1時間くらい延々とやるようになった。
なんかストイックになっている。いいぞ、娘。

写真はまったく関係ない。
僕の好きな近所の熊本らーめん。


フルタ丸を極める

去年末、きむけんに撮ってもらった劇団写真の一枚。
6人のメンバーで写真に収まる時、いつからか僕は端に立つようになった。
メンバーには言ってないが、端がカッコイイと思ってるからだ。
根拠とか一切ないのだけど、そう思い込んでいる。俺だけか?
誰にも譲るつもりがない。
目を凝らせば、走る小田急線まで見える。
電車はこのまま世田谷代田駅、下北沢駅へと滑り込んでいく。
奥に富士山は見えないけど、見える日もある。
嬉しくなる構図だ。
自分の生活と大事なものがこの一枚になんとなく入っている。
気がしてくる。

世の中がこういった状況になって色々考えていると、劇団のことにたどり着いてしまう。

「フルタ丸を極める」

そのフレーズ。何を今更。
そのフレーズ。しかし、そういうことだろうなと。
今日も事務所で呪文みたいに唱えながら。そのフレーズを。


フルタ製菓で浮足立つ

念願だったフルタ製菓のクリスマスセールに参加して来た。

西荻窪の住宅街を抜けた先にある東京営業所は、よくわからない熱気に満ちていて、お客さんもお菓子を売る社員さんも、何もかもが素晴らしい次元でうごめいていた。
一言で言うならば、シアワセな空間と時間。
年に2日間だけの特別なセール。
店頭の販売員ではなく、社員さんがお客さんとダイレクトに接するのも妙なあたたかさを演出している。
許されるならばずっといたかった。もちろん、僕も大量購入。とても冷静じゃいられない。皆が完全に浮足立っていた。

フルタ製菓といえば、セコイヤチョコレート、チェコエッグなどヒット商品は数あれど、やはり大傑作は「生クリームチョコレート」だと思っている。

これはブルーべりー味。紫の包み紙にアルファベットで「Furuta」の文字。しびれる。

日本で買えるチョコレートの中で僕はこのチョコレートこそがナンバーワンじゃないかと本気で思っている。
そろそろフルタ製菓とフルタ丸、コラボしたい。
2020年の宿題だ。


あのタイムマシーンに乗ってしまえば

母校「岐阜県立関高等学校」が2年後の2021年に創立100周年を迎える。これまでにないあたらしい100周年の式典を創りたい。

そんな相談を受けたのは夏だった。

帰省して話を伺った時、その想いを聞き、ぜひお手伝いしたいと思った。自分が今までやってきたことで、それがこんな形で母校への恩返しとなるならばぜひ協力したい。そして、少し泣いてもいた。そうか、こんなふうに自分みたいな人間が役立てるのか。ならば、これは現時点での僕の一つの集大成となる取り組みかもしれない。

会場は2500人を収納するアリーナ。

100年間の卒業生達が、在校生達が一同に会する。これを逃すと、次はさらに100年後の2121年なのか。先過ぎてよくわからん、確実に生きてない。とにかく100年という区切りはもう二度とない。

演出プランの企画を考える日々が始まった。

それを資料にまとめて、昨晩、高校で式典実行員の方にプレゼンをしに行って来た。場所は彩雲館。そうだ、ここで高校三年生の時にクラスでドラマを撮ったんだった。20年前のことが一気にフラッシュバックしてくる。どんどんエモーショナルな気持ちが沸き上がってくる。高校時代、高校時代、高校時代。あの窓。あの廊下。あの下駄箱。そうか、ここに自分の高校時代があったんだな。気付いたら、用意していなかった熱いことまでどんどん話してしまっていた。

企画は通った。

壮大なことをやりたい。今までにないことをやりたい。そして、僕にやらせて頂ける限り、楽しいものをやりたい。2年後の実現に向けて本当に色んな方の協力が必要で、僕はこれから同級生や世代を越えた同窓生や先生方や在校生に、どんどん会いに行く。一緒に企む。そういう2年間が始まる。

2500席を満員にしてぇ。


あの頃と現在と

昨日の興奮が冷めやらないです。

ここ最近、毎日が「今なのだ」「今やるんだ」という緊張感の連続があって、有難い。
これはどう考えても、自分一人で立ち回れるものじゃない。
メンバーがいて、応援して下さる方がいて、その中で僕はもがき踊っているにすぎない。躍らせて頂いている。
でも、そうか、こういうふうに選択して、生きていけば良かったのかもしれない。

別に格好つけてるつもりはなかったけど、僕はまだまだ格好付けていたんだなと思った。いつの間にか格好良く踊ることばかり考えていたな。
大学を卒業した後、友人のO君から「淳くん、変わったな。書いてるブログもなんか変わったよ。いま、おもしろくねぇわ」みたいなことを言われた。
とっさに「変わってねぇわ!」みたいに言い返した。
あの時、ムカついたんだけど、変わってしまっていたんだろうな。見透かされていた。
大学時代は毎日ブログ書いてた。卒業後の僕は、なんかつまんない文章書いてたんだろうな。
就職活動もせず、どうなるんだ自分?を正当化することで必死だった。
もう一回、書けるのか、僕に。いや、書いていきたい。
今、そういうことを痛烈に感じている。

クラウドファンディング、現在106%まで達成しました。本当にありがとうございます。
応援して頂いたお金は、すべて作品の映像化費用とリターンの製作費として大事に使わせて頂きます。

あと2日間。28日の23時59分まで。ギリギリまでもがきたい。御支援よろしくお願いします。

「下北沢演劇」を世界へ!50分ワンカットで『梟の服』を映像化したい!
https://camp-fire.jp/projects/view/193683

写真は大学4年生の時、4年間住んだ部屋から引っ越しする時の自分。


本音を書きます。

昨日、フルタ丸のメルマガに書いたことをブログにも載せようと思う。
あの時、自分の中に沸いてきた感情から逃げ隠れもせず、本音を書きます。

下北沢をホームグラウンドにして演劇活動している劇団が世界進出を目指す。

おそらく、そういった劇団はほとんどいません。
それはこの街で上演されているタイプの演劇表現がアート文脈にないものが多いからというのが僕の思うところです。

今年2月、僕は忘れもしない。

ある所で、ある人に向かって、僕は「海外進出したいです。世界のお客さんを楽しませたいです」と言ったことがあった。
それを聞いた見識と立場のある、その演劇関係者に面と向かってバカにされた。言葉の端々に、下北沢演劇そのものへの嘲笑と中傷もあった。あれは本当に悔しかった。

「じゃあ、あんたが好きなアート演劇とフルタ丸演劇で勝負せぇへんか?しようや。一騎打ちでええわ。同じ劇場で、同じお客さんの前でパフォーマンスさせてくれ!絶対に負けないから」

なぜか途中関西弁になってしまったけど、その言葉がもうすこしで喉から出て来そうになった。それぐらい腹が立った。悔しかった。はっきりと「海外の市場に君らのポジションはない」みたいな言われ方をした。

そんなのやってみないと分からないじゃないか。そのチャンスが欲しいと僕は食い下がった。

けど、ダメだった。まるで相手にされなかった。僕はメンバーと作り上げて来た劇団、作品、作風に自信を持っている。
そこに謙遜だったり遠慮することがどうしてもできない。だって本当に自信があるから。その自信は時間を掛けてお客さんと一緒に築いたものだから。
目の前の人を楽しませる、誰かの眠れない夜に忍び込む。僕らはずっとそういうものを創ってきた。
それを下北沢でお客さんに届けることができた。それと同じことが海外でもできるんだってことを証明したい。

そして、下北沢で活動している劇団の方々が「え?フルタ丸が行けるんなら、俺たちもイケるっしょ?」みたいな軽い感じで挑戦してほしい。
その挑戦が誰にも馬鹿にされない。そういうものになってほしい。
そうなったら始まるぜ、下北沢演劇の逆襲が。

「下北沢演劇」を世界へ!50分ワンカットで『梟の服』を映像化したい!
https://camp-fire.jp/projects/view/193683