鉛筆削り工場長就任

劇団でnoteを始めてから、このブログの立ち位置を見失い始めている。
自分のことをnoteで書いているし、差別化はできるのか?
劇団を法人化した旨は、noteに書いたのでどうかそちらを読んでもらえたら。

フルタ丸note「この度、法人化しました。社名はエンピツです。」

先日、欲しかった「カランダッシュ」の鉛筆削りを買ってしまった。

カランダッシュは1915年に創業した鉛筆工場を前身にもつスイスの筆記具メーカー。
佇まい、手触り、機能、何もかも素晴らしい。

どの角度からも机に固定できる。

毎日削りたくて仕方ないので、娘から先が丸くなった鉛筆を仕入れて削っている。
娘からは鉛筆削り工場長として認識されつつある。


幸せな関係

Netflixで『パプリカ』を観てから、平沢進「白虎野の娘」をヘビーローテーションしまくっている。
今、世界で一番繰り返し聴いている自信がある。いや、上には上がいるか。
映画本編とエンドテーマ曲の親和性を改めて考えた。
補完し合いながらも、強烈に引き合うように絡み合って掛け算のような数値を出す幸せな関係ってあるんだな。
そういう実感を得たのは久しぶりだった。
とにかく『パプリカ』が面白いということばかり考えながら一週間が過ぎた。
ちょうど考えていた作品があったのだけど、見たことで思考が止まってしまった。
振り出しに戻った。

舞台『芸人温泉』の稽古は連日続いている。
夕方になるとアメニモマケズ自転車を漕いで稽古場に向かう生活。
この状況なので制限がありつつの稽古だが、稽古は着実に積み重ねられている。
今回、役者の皆さんへの負担も大きいのでそこは申し訳ない。
しかし、この厳しい状況での進行が一種の熱となって作品に反映されるんじゃないかとも思っている。
この本番をやるときには、もう梅雨も過ぎ去り夏の最中か。信じられんな。


南海大行列

6月でキッチン南海の神保町店が閉店すると知って落ち着かない日々を過ごしていた。
老朽化による閉店。7月には近くに暖簾分け店ができるそうだが、そういう問題ではなかった。
この本店が好きだった。
いつ行けるだろうかと思いながら今日。
たまたま昼から近くで仕事があり、そのついで行こうと決めた。
早めに家を出て開店前に着いたが、時すでに遅し。
すでに大行列。想像の5倍の長さ。
並んでいた1時間半。
その間ずっと考えていたことは、何を食べるかではなく
学生の頃に通っていた時の想い出、そのラッシュ、走馬灯だった。
ランチの時にもよく来たが、夜に店内のテレビで野球中継見ながら食ってたなとか。
僕の真後ろにサラリーマンのおじさんがいた。
同じように11時から1時間半並んでいる。
もちろん、会社には嘘をついていた。じゃなきゃ並びようがない。
何度も職場に電話しては「今、病院に来ているんだが混んでいて」と巧妙な嘘で切り抜けた。
僕の前に並んでいた女性もそんな感じに思えた。
この大行列、もしかしたらそんな人ばかりだったのかもしれない。
カツカレーを食いながら、同時にこの店で食べた思い出を食べ直しに来ていた。

閉店の最終日、どうるんだろうな。
神保町の古書街を一周する大蛇のような行列になるかもしれない。


漫才狂騒

一輪挿しを買ってから、その花瓶に花がないと寂しいと思うようになった。
この写真は最初に活けた向日葵だが、今は花屋で見つけた巨大なマリモみたいな植物を活けている。名前は知らない。
そもそも僕は固有名詞を憶えようとしない。というか憶えられない。海外の俳優の名前もだし、『鬼滅の刃』の登場人物の名前をまるで想い出せない。しばらくの間、「ねづこ」を「のずこ」と呼んでいて、娘に叱られたぐらいだ。
話が逸れた。最近は定期的に花屋を覗いて、花を買うのが楽しみだということ。
花は一輪で充分うつくしいんだよなぁ。

今週はオンライン出演、企画、ネタの打ち合わせ、撮影、他にもなんかもう色々あった。
明日から、この現場も再始動。芸人を描く漫才狂騒ドラマです。

ひらフル第8弾『芸人温泉』
2020年7月24日(金)~26日(日)
@小劇場B1

<作・演出>
フルタジュン

<漫才脚本>
中村元樹

<出演>
阿部大樹(EARLYWING)/板橋廉平/北村真一郎(劇団ひまわり)/志乃/寺田晴名(スワロウ)/どいちゅー(トゥインクル・コーポレーション)/仲田ありさ(WonderSpace)/西川智宏(ラビット番長)/真帆(劇団フルタ丸)/諸田和典(オブジェクト)/山本綾(スターダストプロモーション)

感染症対策をしながら上演させて頂きます。
改めてチケットの発売も開始しまして、コチラからお求めいただけます!
https://ticket.corich.jp/apply/107741/013/


ただの偶然とは思いたくないな

『オーディエンス』の台本を書いているうちに一歳ふえた。

書きながら思い出したことがある。
かつて「演劇」をテーマに演劇作品を創ったことが一回だけあったなと。
10年前の劇団公演『バラシて終わりと思うなよ』。
メンバーの工藤優太が初めてフルタ丸に参加した作品で、清水洋介とはまだ出会ってもいなかった。
解散公演を終えたある劇団が劇場でバラシ作業(舞台の片付け)をしながら、劇場を空にして出ていくまでをリアルタイム進行で描く物語。
フルタ丸が初めて下北沢の「劇」小劇場で上演させてもらった作品。
あれから10年が経って、フルタ丸はまた「演劇」をテーマに演劇作品を創ろうとしてる。
今度は、ステージで起きていた劇団の物語ではなく、観客席で起きる観客の物語。
場所は同じく「劇」小劇場。
これをただの偶然とは思いたくないな。

今、劇場が演劇を、劇団が演劇を、観客が演劇を待っている状況だと思う。
誰もが待っている。元に戻るのを待っている。
待たされていると感じるのか、それとも、待っているのか。
この違いは大きい。
ぼくらは「待っている」物語をやろうと思う。
演劇を待っている物語を。

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本多劇場グループPRESENTS『オーディエンス』

<STORY>

6月14日、日曜日、下北沢。
劇団ナップサックの本公演『魔法』を観るために、
五人の観客が「劇」小劇場に詰め掛けていた。
「もう間もなく開演いたします」というアナウンス。
しかし、待てど待てど、演劇が始まらない。
いつまで待つのか。どうして待つのか。それでも待つのか。
待ち続ける観客達の群像劇。

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本日、「オーディエンス」のチケットの発売を開始しました。
ライブ配信チケットはコチラから。⇒イープラス


観客

先日、本多さんより「何かやりませんか?」とお話を頂いた。
ぜひやりたいと思った。
すぐに企画を立てて、劇団メンバー、スタッフの皆さんに説明。
このスピード感は、ここ数カ月で人間が手に入れたWEB会議の恩恵だと思った。
慌ただしくも愉快な打ち合わせを経て、本日情報公開した。
本多劇場グループPRESENTSでやらせて頂くフルタ丸の新作。

『オーディエンス』

「劇」小劇場の、実際の観客席を舞台にした観客の物語を創ることにした。
劇場が演劇が再生にむかって動き始めた今だからこそ作りたいと思った。
6月14日の日曜日、それを劇場からライブ配信する。

そんなジャンルはないが「観客席演劇」と「ライブ配信」。
フルタ丸としては、どちらも初めてだ。
どうなるのか分からない要素が入り混じっているときの方が俄然高揚するね。

僕は台本を書き始めた。
その裏でメンバーはオンラインで演技プランの打ち合わせをしている。
本番は2週間後。


経済活動

宣言が明けた。
僕の周りだけでも止まっていたものだったり、新しいものだったりがいくつか動き始めた。
大きな会社だったりすれば、もっと多いだろう。

「経済活動」

漢字四文字にすると味気ない。
が、働くということは「お金を頂く」と同時に「誰かの何かの役に立てる喜び」という意味もある。
給付金で満たされるのは前者で、後者の渇望は渇望のまま残る。
「働きたい」という欲求にはそういう部分がつきまとう。

写真は一年ぐらい前に行ったニューヨークの街角フルーツ屋。
ニューヨークは世界経済の中心地で物価も高い。
あの街であのフルーツ屋は場違いなほど牧歌的に、浮くほど鮮やかに見えた。しかも安い。
あの存在は、絶対的に必要に思えた。
ニューヨーカーはフルーツと同時に何かを買っている気がした。
その何かは人それぞれだけど。
働くことについて考え始めると、漠然とあれを思い出す。

昨日、久しぶりに映像制作会社ナチュラルパラドックスの宇都宮くんと話した。
WEB会議だったけど、楽しかった。
急遽決まり、やろうと動き始めた企画があって、その相談。
話せば話すほどシビれて来た。で、なんか笑えてきて仕方ない。
結局、こういうのが一番楽しいんだよな。
宇都宮くんとはこういう類の打ち合わせばかりしてきた気がする。
近々、告知できるかもしれない。


現場

今日、演出でたずさわっている「おはようインコさん」のスタンダップコメディライブのオンライン配信公演を上演した。
演劇やライブ、映画、イベントなんかのエンタメ業界の厳しさやしんどさをこの3か月間ずっと目の当たりにしてきた。今もまだ渦中だ。
しかしながら、なんとかやり方を探りながら、オンライン配信公演にたどり着いて、それを形にすることができた。技術的な反省点もあった。そういう所は改善してかないといけない。
今日は「現場」という魔法にかかった。それに尽きる。
家を出て、電車に乗って、移動して、集まって、ライブを創る。コロナ前はどれもこれも当たり前にやっていたことだ。今はその何もかもが身に染みる。生の現場にしかない熱を久しぶりに浴びて、今もざわざわしている。


岐阜新聞

ゴールデンウイークにZOOMで取材を受けたものが岐阜新聞に掲載された。
母校である関高校の100周年式典に向けて、ホームページで展開しているタイムライン企画のことを色々と語らせて頂いた。パソコンモニターの中で写真に映るという初めての経験。明らかに表情作りに失敗している(笑)。こういうのは今後もあるかもしれないので、正解を見つけたい。いや、そんなことはどうでもいい。このタイムラインの企画を一人でも多くの色んな人に見てほしい。そして、書き込んでほしい。どんなことでもええんやで。下記の所から書き込めますよ、関高校出身の皆さん。

https://seki100.com/entry/

今日は式典に向けての打ち合わせもあった。
東京と岐阜のWEB会議。考えることがあるのはありがたいことだと思う。
新たに色々な作戦を立てながらやっていくことになった。
今あらゆるものがコロナで一変してしまったので、
頭を柔らかくしながら臨機応変にいきたい。


風通し

いつの間にか夏のような気候になって事務所はすでに暑い。
窓を開けて今日から扇風機を出してフル回転。
作業BGMの選曲にも飽きてしまい、気に入っている1曲を延々とエンドレスリピートしながらやっている。
近隣の人に聞かれてしまったら、
アイツは気を失っているか、ついに頭がおかしくなったのかもしれないと思われてないだろうか。

何もかも、風通しが悪いと疲れてしまう。
とにかく窓を開けて、風を呼び込み、風を浴びるようにしていかないと。
今、自分のことをとことん見つめる良い機会だなとほんと思う。
自分が何者か。
さすがに分かったつもりで生きてきたけど、ひっくり返ったものもある。
面白いな。まだひっくり返る。