演劇小僧たちに付ける薬はない

撮影で山へ行って来た。

やることやって夜。
火を囲み、真っ暗闇に向かって石を投げ続けるような時間。
ありそうでなかった、こういう時間。
演劇小僧のまま大人になってしまった人間は大変だ。
演劇の話を始めたら尽きることがない。

ハラが減ってきて遅い時間にチキンラーメンを作り出した。
思いのほか、麺が水分を奪いまくり思っていたようなチキンラーメンではなくなった。
が、そんなことはどうでも良かった。
そんなものでも「美味しかった」ということになってしまう何か。

結局、語れば語るほど、己の理想的な演劇とは何か?という命題に集約されていく。
僕もそう。そういう年齢か。

そのコダワリを捨てながら年を重ねられる人とそうでない人がいるならば
自分はどー考えでも後者になっている気がした。今更もう変更が効かない、な。
このまま行くしかなさそうだ。

このメンバーで無人島に行ったとして『キャストアウェイ』みたいなことになるなら、やることは演劇。
夜の砂浜で月明りの下、新作を作って永遠に稽古。飽きたら次の作品を創り始める。そこに際限はない。
ということを本気で考えてしまうぐらい好きなんで、付ける薬はない。